概要
日本におけるすももの生産は、収穫量、結果樹面積、出荷量のデータから、その特徴や傾向を明確に把握できます。2022年の全国のすもも収穫量は18.8ktで、結果樹面積は2.65khaとなっており、いずれも全国規模で一定の生産が行われていることがわかります。一方で、出荷量は山梨県が5.59ktと全国トップであり、山梨がすもも産地として重要な役割を果たしていることが特徴です。過去のデータを含めた傾向として、全国的な収穫量や結果樹面積が安定している中、山梨を中心とした主要産地では高品質なすももの生産と出荷に注力していることが見られます。また、近年では果樹農業全体で効率的な栽培技術の導入が進んでおり、結果樹面積の維持と高収量の両立が重要な課題となっています。日本のすもも生産は、地域性と品質へのこだわりを生かしながら国内外での需要に応える形で成長しています。
なつみかんのうち、甘なつみかんの収穫量(主要データ)
日本のすもも生産における収穫量の推移は、1979年から2022年のデータから大きな変化が見られます。収穫量は1991年に全国で41ktというピークを記録しましたが、2022年には18.8ktとなり、ピーク時の45.9%まで減少しました。この減少の背景には、果樹農業全体での担い手不足、高齢化、耕作放棄地の増加が挙げられます。また、消費者の嗜好の多様化や、他の果物との競争激化も要因と考えられます。一方で、産地による高品質品種の開発や、地域ブランド化を通じた価値向上への取り組みが進んでいます。こうした努力により、一部の地域では収穫量の安定や出荷先の拡大が図られています。すもも生産は全国的には縮小傾向にあるものの、品質やブランド力の強化により市場での地位を維持し、新たな需要創出に取り組むことが重要となっています。
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全体の最大は全国の316kt[1983年]で、現在の値はピーク時と比べ69.8%
なつみかんのうち、甘なつみかんの収穫量(都道府県別)
日本のすもも生産における2022年のデータを見ると、山梨県が5.94ktで全国最大の収穫量を記録し、現在の値が最大となっています。これは山梨県がすもも生産の主要地域であり、高品質な品種の育成やブランド化が成功していることを反映しています。すももの生産は地域ごとに異なる特徴を持ちますが、山梨のように気候や土壌条件が適した地域では、生産量が安定しやすい傾向があります。一方、全国的には長期的な傾向として収穫量の減少が見られますが、山梨県はその中でも際立った成果を上げています。この背景には、効率的な栽培技術の導入や販路の確保、地域特有のブランド力強化の取り組みがあります。今後も、主要産地の成功例を基に全国的な生産性向上や販路拡大への取り組みが求められるでしょう。
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全体の最大は熊本の81.9ktで、平均は9.2kt、合計は221kt
なつみかんのうち、甘なつみかんの結果樹面積(主要データ)
日本のすもも栽培における結果樹面積は、1979年から2022年にかけて大きな変動が見られます。1994年には全国で3.77khaと最大値を記録しましたが、2022年には2.65khaとピーク時の70.3%まで減少しています。この減少傾向の主な要因として、高齢化や農業従事者の減少、果樹園の転作や放棄が挙げられます。また、果樹農業全体での収益性低下や、他の作物や果物への需要シフトも影響していると考えられます。しかし一方で、効率的な栽培技術の導入や品種改良、ブランド化の取り組みにより、一部の産地では面積の維持や収穫量の向上が進んでいます。特に山梨県などの主要産地では、品質向上と販路拡大に注力し、結果樹面積の縮小を補う成果を上げています。今後は、労働力不足への対応や地域資源を活用した持続可能な果樹農業への転換が重要な課題となります。
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全体の最大は全国の11.2kha[1984年]で、現在の値はピーク時と比べ87%
なつみかんのうち、甘なつみかんの結果樹面積(都道府県別)
日本のすもも栽培における結果樹面積に関して、2022年のデータでは山梨県が787haで全国最大となっています。この数字は、山梨県がすもも生産の主要な産地であり、その栽培面積の規模の大きさを示しています。山梨は、気候や土壌条件がすもも栽培に適しており、品質の高い果実を安定して生産することができる地域として知られています。また、近年では品種改良や栽培技術の向上が進み、効率的な栽培が行われています。一方で、全国的にはすももの栽培面積は減少傾向にあります。この減少は、農業従事者の高齢化や、果樹栽培を行う土地の転作、放棄が影響していると考えられます。しかし、山梨をはじめとする一部の産地では、品質の向上と地域ブランドの確立に力を入れ、市場競争力を高めているため、面積の維持に成功しています。今後は、労働力不足の解消や持続可能な農業の実現が課題となり、地域ごとの特色を活かした新たな取り組みが求められるでしょう。
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全体の最大は熊本の2.59khaで、平均は406ha、合計は9.74kha
なつみかんのうち、甘なつみかんの出荷量
2022年の日本のすもも出荷量に関するデータによると、山梨県が5.59ktで最大の出荷量を記録し、全国平均は1.64kt、合計出荷量は14.8ktとなっています。山梨県は、すもも生産の主要な産地として、高品質な果実の生産と安定的な出荷を実現しており、出荷量の最大値を誇っています。山梨の特徴は、気候や土壌の適性に加え、品種改良や栽培技術の向上、地域ブランドの強化が進んでいる点です。全国的に見ると、すももの出荷量は一定の安定を見せていますが、近年では生産面積の減少や農業従事者の高齢化が影響し、全体的に出荷量は徐々に減少しています。それでも、山梨を中心とした産地では、品質の向上と効率的な栽培方法の導入が功を奏し、出荷量を維持しています。また、他の果物と競合する中で、すももの消費拡大や新たな市場開拓に向けた取り組みも進められています。今後は、持続可能な農業の実現と、地域ごとの特性を活かした販売戦略が重要となるでしょう。
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全体の最大は熊本の73.5ktで、平均は8.1kt、合計は194kt
主要データ
なつみかん(なつみかんのうち, 甘なつみかん, 収穫量) [kt] | ||||||||||
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全国 | 熊本 | 愛媛 | 鹿児島 | 大分 | 和歌山 | 静岡 | 広島 | 三重 | 福岡 | |
1988 | 220.7 | 81.9 | 40.1 | 17.3 | 15.8 | 14.7 | 11.4 | 9.45 | 7.97 | 7.8 |
1987 | 278.9 | 109.4 | 50.4 | 20.3 | 23.4 | 16.5 | 12.2 | 10.5 | 9.39 | 8.86 |
1986 | 269.9 | 103.6 | 51.8 | 16.7 | 22.3 | 14.9 | 11.4 | 9.18 | 9.37 | 11.5 |
1985 | 253.5 | 88.6 | 53.6 | 14.8 | 21.4 | 17.7 | 9.89 | 9.17 | 6.95 | 10.8 |
1984 | 304.9 | 108.7 | 64.2 | 18.6 | 29 | 19 | 8.78 | 9.13 | 9.37 | 13.7 |
1983 | 316.4 | 111.5 | 63.1 | 18 | 32.6 | 18.5 | 11.7 | 8.16 | 10.2 | 16.6 |
1982 | 282.7 | 98.5 | 56.9 | 15.9 | 29.8 | 15.9 | 11.5 | 6.02 | 8.74 | 14.6 |
1981 | 232.3 | 80.1 | 53.2 | 14 | 26 | 11.2 | 4.85 | 6.19 | 4.85 | 10.3 |
1980 | 296.4 | 96.5 | 68.7 | 16.4 | 36.6 | 13.6 | 5.83 | 7.22 | 7.09 | 15.1 |
1979 | 250.6 | 81.7 | 56.4 | 12.6 | 31 | 12.6 | 4.75 | 5.59 | 5.37 | 14 |
1978 | 233.4 | 76.9 | 53.8 | 12.1 | 28.1 | 9.61 | 4.64 | 5.46 | 4.84 | 13.6 |
1977 | 188.1 | 74.6 | 41.9 | 8.86 | 22.5 | 6.18 | 3.37 | 3.55 | 2.63 | 9.78 |
1976 | 186.6 | 65.1 | 38.3 | 6.66 | 25 | 7.96 | 3.32 | 4.86 | 3.27 | 10.7 |
1975 | 175.1 | 56.9 | 37.4 | 4.87 | 26.3 | 6.98 | 3.12 | 4.43 | 2.76 | 10.6 |
1974 | 139.1 | 46 | 27.1 | 4.64 | 21.3 | 5.46 | 1.79 | 2.82 | 2.46 | 9.11 |
1973 | 136.3 | 42.2 | 27 | 4.27 | 23.2 | 5.33 | 1.35 | 3.7 | 2.31 | 9.07 |
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